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てんかん:KCNC1に頻発するde novo変異は進行性ミオクローヌスてんかんを引き起こす
Nature Genetics 47, 1 doi: 10.1038/ng.3144
進行性ミオクローヌスてんかん(PME)は、動作性ミオクローヌス、強直間代発作および運動失調を示すまれな遺伝性疾患群に属する。我々は、血縁関係がなく原因が分からないPME症例84例のエキソーム配列を解読し、26例(31%)において病因に関与すると考えられる変異を同定した。KCNC1に頻発するde novo変異〔c.959G > A(p.Arg320His)〕が、PMEの主要病因であることが新たに明らかになったことは重要である。この変異は、エキソーム配列解読を行った血縁関係のない11例(13%)、および2つ目のコホートのPME患者2例(7%)に見られた。KCNC1は、高頻度ニューロン発火の主要な決定要因であるKV3電位依存性カリウムイオンチャネルのサブユニットであるKV3.1をコードしている。Arg320His変異型チャネルの機能解析から、ドミナントネガティブ型の機能喪失効果が示された。また、症例10例に、既知のPME関連遺伝子(NEU1、NHLRC1、AFG3L2、EPM2A、CLN6、SERPINI1)の病因性変異が見られた。PRNP、SACSおよびTBC1D24に変異が同定されたことにより、PMEの表現型の範囲が拡大される可能性がある。これらの知見は、PMEの分子遺伝学的基盤を理解する手掛かりになり、また、PMEの実体にde novo変異が担う役割を示すものである。