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肝硬変:ゲノムワイド関連解析からアルコール性肝硬変のリスク座位としてPNPLA3が確認され、新たにTM6SF2およびMBOAT7が同定された。
Nature Genetics 47, 12 doi: 10.1038/ng.3417
アルコールの長期大量摂取は肝硬変の主要原因であり、西欧社会における肝移植の適応として2番目に多い。今回、アルコール性肝硬変についてヨーロッパ系集団(症例712例、対照1,426例)におけるゲノムワイド関連解析を行い、続いて、2つの別個のヨーロッパ系コホート(症例1,148人、対照922人)での関連確認解析を行った。その結果、ゲノムワイドな有意性を示すアルコール性肝硬変の新たなリスク座位として、MBOAT7(P=1.03×10−9とTM6SF2(P=7.89×10−10)のバリアントを同定した。さらに、PNPLA3のrs738409(P=1.54×10−48)が重要なリスク座位であることを確認した。これらの3つの座位が脂質代謝に関与していることから、脂質の代謝回転の異常がアルコール性肝硬変の原因に関連していることが示唆された。