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アイスランド人ゲノム:稀なヒト完全ノックアウトを多数同定

Nature Genetics 47, 5 doi: 10.1038/ng.3243

機能喪失変異は多くのメンデル遺伝性疾患を引き起こす。本論文では、稀な機能喪失変異によって完全にノックアウト(機能欠損)されたヒト常染色体遺伝子の新しいカタログ作成を試みたので報告する。まず、アイスランド人2,636人の全ゲノム塩基配列を決定した。そして、同定された配列バリアントについて、SNPチップで遺伝子型およびハプロタイプ型決定済みの別のアイスランド人101,584人のデータを用いて統計学的な推定を行った。その結果、4,924個の常染色体遺伝子に、機能喪失型SNPないしはインデルが合計6,795個見つかった。遺伝子型決定済みのアイスランド人の7.7%において、1,171個の遺伝子に生じた機能喪失変異(マイナー対立遺伝子頻度が2%未満のもの)が、ホモ接合性もしくは複合ヘテロ接合性であることが判明した(完全ノックアウト)。さらに、脳で高発現している遺伝子群が完全にノックアウトされる頻度は、その他の遺伝子の場合よりも低いことが分かった。また、機能喪失変異をヘテロ接合性で持つ両親から生まれた子がホモ接合性である頻度は、予想より下回った〔マイナー対立遺伝子頻度 < 2%のバリアントが次世代に受け継がれる確率は、136/10,000である。95%信頼区間(CI)=10-261〕。

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