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白血病:RASのフィードバック調節の協調的な喪失が骨髄性白血病を発生させる

Nature Genetics 47, 5 doi: 10.1038/ng.3251

RASネットワークの活性化はヒトがんにおいて一般的に見られ、また急性骨髄性白血病(AML)では、この活性化は主にKRASNRASあるいは受容体型チロシンキナーゼのFLT3の機能獲得変異により達成される。本論文では、マウスにおいて、KrasG12D対立遺伝子を持つ前がん状態の骨髄細胞は、Spry4が関与する負のフィードバックにより低レベルのRasシグナル伝達を維持することで、形質転換が防止されていることを示す。ヒトでは、SPRY4は染色体5qに位置しており、この領域には進行性の疾患に関連する大規模なヘテロ接合性欠失が見られるが、これらの疾患においてRAS経路の機能獲得変異は稀にしか見られない。このような5q欠失は、NF1(RASの別の負の調節因子)やTP53の欠失を含む、17番染色体の変化とともに生じることが多い。そのため、マウスにおいてSpry4、Nf1、p53をまとめて抑制すると、高レベルのRasシグナル伝達とAMLが生じる。従って、SPRY4は5qの腫瘍抑制因子であり、SPRY4の破壊は、負の調節因子の喪失を介したRAS経路の活性化を獲得させると考えられ、致死的なAMLサブタイプに寄与する。

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