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乳がん:生殖細胞系列のRECQL変異は乳がんの感受性に関連している
Nature Genetics 47, 6 doi: 10.1038/ng.3284
乳がんについては、中程度および高度のリスク感受性遺伝子がいくつか発見されているが、さらに多くのリスク感受性遺伝子が存在すると考えられている。乳がん感受性遺伝子を新しく発見するために、発見段階の解析として、2つの集団(ポーランドおよびカナダのケベック州)を対象に全ゲノム配列決定を行い(n=195)、次の段階として、追試解析を行った。この各集団において、RECQLに頻発するまれな変異を同定した。ケベック州の集団では、乳がんの高リスクを持つ1,013人のうち7人に、また新生児7,136児のうち1児に、c.634C > T(p.Arg215*)変異が見られた(P=0.00004)。ポーランドの集団では、選別していない乳がん症例13,136人のうち30人、また対照4,702人のうち2人に、c.1667_1667+3delAGTA(p.K555delinsMYKLIHYSFR)が見られた(P=0.008)。RECQLはDNA複製フォークの停止部位でのDNAの巻き戻しに関与し、二本鎖DNAの切断の防止に作用している。この機能は他の既知の乳がん感受性遺伝子(その多くが二本鎖DNA切断の修復に関与している)の機能に関係している。これらの結果から、RECQLが乳がん感受性遺伝子であると結論する。