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脂質:脂質レベルに与える低頻度のバリアントと稀少なバリアントの影響
Nature Genetics 47, 6 doi: 10.1038/ng.3300
1,000人ゲノムプロジェクトの結果を用いたインピュテーション(遺伝子型予測)法により、62,166人の試料に対して960万個の遺伝的バリアントをゲノムワイドにスクリーニングした。その結果、脂質の形質と関連する座位を93個同定した。そのうち新しい座位は10個で、既知の座位のうち79座位には新しいリードSNPが見つかった。また、頻度の低いリードSNPを持つ座位は15個、ミスセンスのリードSNPを持つ座位は10個、まれなバリアントが蓄積する座位は2個含まれていた。6個の座位では、脂質遺伝学において確立した機能を持つ遺伝子(CELSR2、GCKR、LIPC、APOE)のSNP、あるいは機能喪失が予測されるミスセンス変異(CD300LGとTM6SF2)により関連が説明できる。頻度の低いバリアントは、特に低密度リポタンパクコレステロールと総コレステロールに対する寄与率を上げていた。まとめると、我々の結果は複雑な形質に対する頻度の低いバリアントの影響の重要性に光を当てるもので、インピュテーションがリシーケンシング(塩基配列再決定)に代わる経費効率のよい方法を提供し得ることを示すものである。