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自閉症:自閉症には希少かつ遺伝性の短縮型変異が過剰に存在する

Nature Genetics 47, 6 doi: 10.1038/ng.3303

遺伝性およびde novoのバリアントが自閉症のリスクに与える相対的な影響を評価するために、自閉症の2,377家系において、エクソンの一塩基バリアント(SNV)およびコピー数多型(CNV)についての包括的なデータセットを作成した。非罹患同胞と比較して発端者には、保存された遺伝子に、この一家系にしか報告されていない遺伝性の短縮型SNVが豊富に存在すること(オッズ比=1.14、P=0.0002)、またこれには母親から息子への有意な伝達の偏りが関与していることが分かった。遺伝性CNVにも母親から伝達される事象の偏りが観察され(P=0.01)、特にCHD8標的遺伝子には母親から伝達される小さな(< 100 kb)CNVが豊富に存在することが分かった(P=7.4 × 10−3)。ロジスティック回帰モデルを用いて、この一家系にしか報告されていない短縮型SNVや希少な遺伝性CNVはそれぞれ、自閉症の統計的に独立したリスク要因であり、それぞれのオッズ比は1.11(P=0.0002)および1.23(P=0.01)であることが示された。この解析から、伝達された変異が感受性の背景を作るが、完全浸透ではないと考えられる2種類目の候補遺伝子(例えば、RIMS1CUL7LZTR1)が明らかになった。

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