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染色体分配:ヒトの卵母細胞および受精卵での組換えおよび染色体分配に関するゲノムワイドな地図を作成し、母親側の組換え率には選択圧がかかっていることを見つけた

Nature Genetics 47, 7 doi: 10.1038/ng.3306

染色体の交差による遺伝的組換えによって遺伝子の再編成が起こり、染色体分配の過程で生じるエラーを回避するよう働く。ヒト卵母細胞で分配エラーが起こると、染色体数の増減(異数性)がもたらされ、不妊や先天性疾患の主な要因となる。本論文では、ヒト卵の減数分裂で生じる3つの産生物全てを回収し、解析することで、交差および分配パターンについてのゲノムワイドな地図を作成した。減数分裂を完了した23例に対して、総計400万以上の情報価値の高いSNPの遺伝子型を決定した。その結果、母親由来の交差位置2,032箇所、父親由来の交差位置1,342箇所を染色体上に決定し、染色体対529組の分配パターンの推定が可能になった。減数第一分裂に際して、両方の相同染色体の姉妹染色分体が分離するという、これまでに知られていなかった染色体の逆分配パターンが明らかになった。また、女性生殖細胞では、異数性の胚が除外されるために、組換え率が高く検出されることが見いだされた。さらに、減数第二分裂においては、組換えが起こっていない染色分体が卵にならないように仕向ける作用が働いていることが見つかった。今回得られた知見から、組換えが減数第一分裂時の相同染色体の分配だけでなく、減数第二分裂時の姉妹染色分体の運命をも左右することが示された。

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