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卵巣がん:粘液性卵巣がんのリスクへのゲノムワイドな有意水準での関連
Nature Genetics 47, 8 doi: 10.1038/ng.3336
ゲノムワイド関連研究から、卵巣がんのリスクへの関連がいくつか見つかっているが、粘液性卵巣がん(MOC)のリスクへの関連は明らかになっていない。MOC症例1,644例と対照21,693例のインピューテーションによる解析から、MOCのリスクに関連する新規3座位が同定された。つまり、2q13のrs752590(P=3.3 × 10−8)、2q31.1のrs711830(P=7.5 × 10−12)、19q13.2のrs688187(P=6.8 × 10−13)である。発現量的形質座位(eQTL)の解析では、2q31.1のHOXD9と卵巣腫瘍〔P=4.95 × 10− 4、偽発見率(FDR)=0.003〕および大腸腫瘍(P=0.01、FDR=0.09)に有意な関連が、2q13のPAX8と大腸腫瘍(P=0.03、FDR=0.09)にも有意な関連が同定された。染色体コンホメーション捕捉解析から、HOXD9プロモーターと2q31.1のリスク関連SNPとの相互作用が明らかになった。MOC細胞でのHOXD9の過剰発現は新生物性表現型を増強させた。これらの知見はMOC感受性バリアントについての最初の証拠であり、また、MOC生物学の基礎を理解する手がかりになる。