Analysis

コピー数多様性:59,898のヒトエキソームにおいて、希少なコピー数多様性が示す「遺伝子の不寛容さ」のパターン

Nature Genetics 48, 10 doi: 10.1038/ng.3638

タンパク質をコードする遺伝子に影響するコピー数多様性(CNV)は、ヒトの多様性や疾患にかなりの影響を与えている。今回、Exome Aggregation Consortium(ExAC)データベース中のおよそ60,000人から得たエキソーム塩基配列決定データ中で、希少な(頻度が0.5%未満)遺伝子のCNVの割合や特性について明らかにした。平均で各個人は0.81の欠失遺伝子と1.75の重複遺伝子を有しており、ほとんど(70%)が少なくとも1つの希少遺伝子のCNVを持っている。全ての遺伝子について、CNVへの相対的な不寛容さの指標を経験的に見積もったが、不寛容さの指標は、一塩基多様性(SNV)に基づく遺伝子の制約の測定値に中等度の相関を示し、またこれとは独立して進化的保存の測定値に相関を示した。統合失調症を有する人は、CNVによって影響を受ける遺伝子が対照群よりも不寛容だった。ExACのCNVデータは、ヒトの一連の遺伝的多様性に関する統合データベースを構成する重要な要素であり、個人ゲノムの解釈にも集団ベースの疾患研究にも役立つものである。これらのデータはオンラインでのダウンロードや画像化を自由に行うことができる。

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