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血圧:多様な祖先集団のメタ解析から、血圧や高血圧に関連する希少および高頻度バリアントを同定
Nature Genetics 48, 10 doi: 10.1038/ng.3654
高血圧は循環器疾患や早期死亡の主要なリスク因子である。しかし、発症に関わる特異的な遺伝子や経路についての知見は限られている。血圧に関係する遺伝的特徴についての理解を深めるため、最大192,763人の高血圧患者において希少、低頻度、高頻度のバリアントの242,296の遺伝子型を決定し、さらに、約155,063の試料を用いて別個に再現性解析を行った。その結果、一般集団において血圧もしくは高血圧に関係する30の新たな遺伝子領域を同定した。その中には、RBM47、COL21A1、RRASに存在する3つの希少ミスセンスバリアントが含まれており、これらは高頻度バリアントよりも大きな効果(対立遺伝子当たり1.5 mm Hgを超える)を示した。さらに、複数の希少ノンセンスおよびミスセンスバリアントにおける関連をA2ML1に、低頻度のノンセンスバリアントをENPEPに同定した。今回得られたデータは、血圧の形質および高血圧に関わる対立遺伝子の多様性の範囲を広げるものであり、また、高血圧の病態生理に新たな手掛かりを与え、臨床介入を目的とした新規の標的を示すものである。