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血圧:血圧に影響し、代謝形質座位に重なる高頻度バリアントおよび希少バリアントをメタ解析により同定

Nature Genetics 48, 10 doi: 10.1038/ng.3660

エキソームを中心にした一塩基多様性解析および遺伝子をもとにした解析により、血圧の関連解析結果についてのメタ解析を行い、発見段階で146,562人、追試段階およびメタ解析でさらに180,726人(合計n = 327,288)を対象に調べた結果、31の新しい座位を明らかにすることができた。これらの血圧関連座位には、心血管代謝形質の既知のバリアントが豊富に存在していた。NPR1DBHPTPMT1の3つの遺伝子では、まれな低頻度ミスセンスバリアントが集積していることが観察された。また、血圧との関連がこれまでに報告されている39座位について、確認を行うことができた。同定されたバリアントは、心血管代謝形質、血管機能、発生に関わる生物学的経路に関与していた。いくつかの新しいバリアントは、転写やタンパク質–タンパク質の相互作用ネットワークのハブとしての役割を担うと推測された。これらの同定されたバリアントから構築された遺伝的リスクスコアは、冠動脈疾患や心筋梗塞と強い関連を示した。このような血圧関連座位の大規模なコレクションから、高血圧の新しい治療戦略が示唆され、また、血圧と心血管代謝リスクとの結び付きが浮き彫りになった。

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