Analysis

非コード領域:がんで頻発する非コード領域の変異をクロマチン構造から予測する

Nature Genetics 48, 11 doi: 10.1038/ng.3682

特定の変異が繰り返し出現するという事象は、がんのドライバー変異に特有のものである。この頻発する変異は、同じ位置に生じる場合もあるし、位置は異なるが同じ遺伝子に作用する場合もある。本論文では、がん患者の試料に見つかる変異で、その変異が、クロマチンの相互作用を介して共通の遺伝子に作用するさまざまなcis調節配列を変更するものを同定した。この方法で同定された変異と遺伝子は、位置特異的に頻発する非コード領域の変異に比べて、がんに対する強い関連を示した。今回、任意の集団において頻発する変異に見られる共通の特徴をもとに、こういった変異である可能性が高い変異を特定する予測法を開発した。本法によって、標的遺伝子レベルで頻発する変異は正確に予測できたが、同じ位置に頻発する変異についてはそうでなかった。本法によって、TERT遺伝子の発現を遠隔領域から調節する変異を予測し、それを実験的に確認した。結論として今回の結果は、非コード領域のがんドライバー変異を検出するための、これまでにないアプローチを提案するものである。

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