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腸内微生物:大規模な健常者コホートにおける宿主ゲノムと腸内細菌組成の関連

Nature Genetics 48, 11 doi: 10.1038/ng.3693

腸内微生物相は健康や疾病にとって重要であることが知られている。この構成は環境と宿主因子の両方により影響を受けている。宿主の遺伝的多様性と微生物の構成との間の関連は、これまでの大規模研究ではほとんど評価されてこなかった。今回、我々は1,561人の健常者コホートを集め、その中から123の家系に由来する270人のデータを解析して遺伝性について調べたところ、ほぼ1/3の糞便菌種が遺伝的に継承されることを見いだした。加えて、我々は1,098の探索群の被験者から、33の分類群の相対存在量に関連する58のSNPを同定した。これらの中で、4つの座位が463人の被験者からなる別のコホートで再現された。rs62171178(最も近い遺伝子はUBR3)はRikenellaceae科(リケネラ科)に関連があり、rs1394174(CNTN6)はFaecalibacterium属と関連し、rs59846192(DMRTB1)はLachnospira属と関連し、rs28473221(SALL3)はEubacterium属と関連していた。多重検定を補正したのち、58の関連のうちの6つが有意なものとして残り、1つは再現性が確認できた。これらの結果は特定の遺伝子バリアントと腸内微生物相間の関連を明らかにするものである。

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