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口腔および咽頭のがん:ゲノムワイド関連解析により口腔および咽頭のがんの新しい感受性座位を同定

Nature Genetics 48, 12 doi: 10.1038/ng.3685

我々は口腔および咽頭のがんについてのゲノムワイド関連研究を、ヨーロッパ、北米および南米の症例6,034人と対照6,585人において行った。有意な関連(P <5×10−8)を示す8座位を検出し、そのうちの7座位はこれらのがんについての新規座位であった。口腔および咽頭のがんの統合解析では、6p21.32(rs3828805、HLADQB1)、10q26.13(rs201982221、LHPP)、11p15.4(rs1453414、OR52N2–TRIM5)の座位に関連が見られた。口腔がんでは、2つの新しい領域である2p23.3(rs6547741、GPN1)および9q34.12(rs928674、LAMC3)と、既知のがん関連座位である9p21.3(rs8181047、CDKN2B-AS1)および5p15.33(rs10462706、CLPTM1L)に関連が見られた。中咽頭がんとの関連はヒト白血球抗原(HLA)領域に限定されており、また古典的なHLA対立遺伝子のインピューテーションから、クラスIIハプロタイプのHLA-DRB1*1301–HLA-DQA1*0103–HLA-DQB1*0603との防御作用を持つ関連が示された〔オッズ比(OR)=0.59、P=2.7×10−9〕。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染状態についての情報を利用した中咽頭がん症例のサブグループにおける層別化解析から、この関連がHPV陰性がん(OR=0.75、P=0.16)よりもHPV陽性がん(OR=0.23、P=1.6×10−6)において非常に強力であることが分かった。

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