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生殖行動:ヒトの生殖行動に影響する12の座位をゲノムワイド関連解析で同定
Nature Genetics 48, 12 doi: 10.1038/ng.3698
初産年齢(AFB)と生涯出生児数(NEB)は、ヒトの生殖行動における遺伝的な構成要素であるが、これらは、適応度やヒトの発生、不妊、精神神経疾患の発症リスクに強く結びついている。ところが、これまでに同定されている座位はごくわずかしかなく、また、AFBやNEBを決定する機序はほとんど明らかになっていない。今回、AFBについて251,151人、NEBについて343,072人の人を対象(男女両方を含んだ集団)にした大規模なゲノムワイド関連解析を行ったので報告する。SNPによるゲノムワイド関連解析により、AFBとNEBの両方またはいずれかに有意な関連を示す12の座位を同定し、遺伝子による関連解析により、さらに4つの座位を同定した。これらの座位に含まれる遺伝子は、ヒトの生殖や不妊において直接的に、もしくは当該遺伝子とは異なる遺伝子の発現に影響を及ぼすことで、役割を担う可能性が高い。今回の研究により、複雑形質であるヒトの生殖行動の理解を深めることができた。