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希少バリアント:加齢黄斑変性症の大規模なゲノムワイド関連研究から希少バリアントと高頻度バリアントの寄与が浮き彫りになる
Nature Genetics 48, 2 doi: 10.1038/ng.3448
進行した加齢黄斑変性症(AMD)は高齢者の失明の主な原因であり、治療の選択肢は限られている。本論文では、1,200万個を超える数のバリアントについて解析した。このうち163,714個については直接遺伝子型を決定し、タンパク質を変化させるバリアントで、ほとんどが希少であることが分かっている。AMD患者16,144人と対照17,832人の解析から、独立した関連を示す52個のバリアント(高頻度および希少)が34座位にわたって分布することが明らかになった(P<5×10−8)。滲出型と萎縮型のAMDサブタイプは、遺伝学的には大部分が共通であるが、今回初めて、滲出型AMDに特異的な遺伝的関連シグナルをMMP9近傍に同定した(Pdifference=4.1×10−10)。CFH、CFI、TIMP3のコード配列の非常にまれなバリアント(頻度 <0.1%)やSLC16A8のスプライスバリアントの存在から、これらの原因遺伝子としての役割が示唆された。我々の結果から、コード配列の希少バリアントは、既知の遺伝子座のなかでどれが原因遺伝子かを正確に割り出す助けになるという仮説が今回裏付けられ、また、新規座位を系統立って検出する手法として適用するには、きわめて大規模な標本の大きさが必要であることが明らかになった。