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生殖細胞系列変異:ヒトの生殖細胞系列変異が生じるタイミング、割合、種類
Nature Genetics 48, 2 doi: 10.1038/ng.3469
生殖細胞系列変異は、ゲノム進化および遺伝性疾患を生じさせる原動力の1つである。兄弟姉妹(同胞)が多人数である複数の家系を対象に、生殖細胞系列変異のゲノム規模の変異率と種類を詳細に調べた。変異率は、父親の年齢が上がるにつれて全ての家系で例外なく増加したが、毎年増えていく変異の数は家系間で2倍以上の開きがあった。6,750個の変異のメタ解析から、生殖細胞系列のメチル化によって変異率が影響を受けることが明らかになった。生殖細胞系列変異の種類は、体細胞変異とは異なり、性別や父親の年齢にかかわらず、驚くべきことにほぼ同一であった。親の生殖細胞系列では変異の3.8%がモザイクであり、その子では、変異の1.3%が同胞で共通していた。ここで、このような共有変異の数は、家系間で大きく異なっていた。細胞分裂ごとの変異率については、始原生殖細胞の初期発生期および分化期には比較的高いが、思春期以降の精子形成期には大幅に低下することが示唆された。今回明らかになった生殖細胞系列のde novo変異の特性は、こうした変異に起因する疾患の家系内再発リスクに重大な影響をもたらしている。