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SLE:免疫関連座位の高密度な遺伝子型決定により、アジア系に見られるSLEの新リスク配列を同定
Nature Genetics 48, 3 doi: 10.1038/ng.3496
全身性エリテマトーデス(SLE)の遺伝学的構造は、かなりよく理解されているが、完全に解明されたわけではない。我々は、東アジアの6つのコホートのSLE患者4,478例と対照12,656例において関連研究と追試を行うことで、新しいSLE感受性座位を同定した。これらの座位は、SLEとの関連は知られていないが、既知の座位に位置決定された。ゲノムワイドな有意水準で新規の10座位を明らかにし、SLEとの関連が既に知られている20座位を確認した。新規座位の中で、最も有意な座位は7q11.23のGTF2IRD1-GTF2I〔rs73366469、Pmeta=3.75×10−117、オッズ比(OR)=2.38〕で、次にDEF6、IL12B、TCF7、TERT、CD226、PCNXL3、RASGRP1、SYNGR1、SIGLEC6が続く。エピジェネティックな標識や遺伝子発現データを解析することで、各座位で最も機能的と考えられるバリアントを同定した。10個の候補バリアントはシスあるいはトランスに遺伝子発現を変化させることが知られている。GSEA(gene set enrichment analysis)解析から、B細胞やT細胞の生物学におけるこれらの座位の重要性が浮き彫りになった。これらの新規座位は、これまでに知られている座位と合わせて、SLEの説明された遺伝率を24%に増加させる。これらの新規座位は、これまでに報告されている座位と機能的およびオントロジー的な特徴を共有しており、SLEを治療するための薬剤標的になる可能性がある。