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コウモリ:コウモリの発生中の翼のトランスクリプトームおよびエピゲノムの解析

Nature Genetics 48, 5 doi: 10.1038/ng.3537

コウモリは動力飛行ができる唯一の哺乳類であるが、コウモリの翼の形成に関わる遺伝学的決定因子についてはほとんど分かっていない。本論文では、Miniopterus natalensis(ユビナガコウモリ属の一種)のゲノムを解読し、また、胚発生中の前肢および後肢の自脚において、連続的にRNA-seqおよびChIP-seq(H3K27acおよびH3K27me3)の解析を行い、コウモリの翼の発生の基礎となる分子事象を明らかにした。7,000以上の遺伝子、およびTbx5-as1やHottipをはじめとするいくつかの長鎖非コードRNAは、前肢と後肢の間や、発生段階の間で発現が異なっていた。ChIP-seq解析から、前肢と後肢で異なる修飾を受ける領域が何千も同定された。比較ゲノミクスから、H3K27acピーク内にコウモリ系統で高度に塩基配列置換が確認される領域が2,796か所見つかり、そのうちのいくつかは四肢関連遺伝子近傍にクラスターを形成していた。パスウェイ解析から、多数のリボソームタンパク質や既知の四肢パターン形成シグナル伝達経路が、異なる成長段階において異なる調節を受け、前肢の間充織凝縮の増加に関与していることが明らかになった。まとめると、我々の研究は、コウモリの翼の形成に寄与する可能性のある多数の遺伝学的構成要素の概要を示し、この形態上の飛躍的な変化を理解する手掛かりになるだろう。

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