Analysis
遠位調節配列:エンハンサー–プロモーター相互作用はループ構造のクロマチンの複雑なゲノムシグネチャーにコードされる
Nature Genetics 48, 5 doi: 10.1038/ng.3539
遠位の調節配列の遺伝子標的を近傍の他の転写される遺伝子から識別することは難しい課題だが、複雑な疾患の根本原因を明らかにする上で重要である。本論文では、コンピューターを用いて、ゲノムに沿ったさまざまな特徴から調節の全体像を再構築するTargetFinderという方法について報告する。この方法によるモデルでは、複数の細胞株での個々のエンハンサー–プロモーター相互作用を正確に予測でき、偽発見率は最も近傍の遺伝子を用いて得られたものの最大でも15分の1であった。この高い精度を生みだすことのできるゲノムの特徴を評価することで、構造タンパク質、転写因子、エピジェネティックな修飾の間の相互作用を明らかにし、それらを総合することで転写において、エンハンサー–プロモーター対が相互作用性であるか、非相互作用性であるかを識別した。このシグネチャーの大部分は、エンハンサーやプロモーターの近傍にはないが、ループ構造のDNAに修飾されている。我々は、一次元ゲノムの標識の、複雑であるが一貫性のある組み合わせが、詳細な調節性相互作用の三次元構造をコードしていると結論する。