Technical Report

遺伝子型推定:参照パネルを用いずに配列からの迅速な遺伝子型推定

Nature Genetics 48, 8 doi: 10.1038/ng.3594

低コストのジェノタイピング手法は、大きなサンプルサイズを要求する遺伝学的研究に必要不可欠である。ヒト研究においては、マイクロアレイと高密度ハプロタイプ参照パネルが、この目的で効率的な遺伝子型推定を行うことを可能にしている。しかしながら、これらのリソースは、一般的にヒト以外の生物のデータでは利用できない。今回我々は、参照パネルやアレイデータを必要とせず、塩基配列決定のリードデータだけに基づく推定の手法であるSTITCHについて述べる。我々は2,073匹の非近交系実験用マウスにおいて、平均r2値0.98で、570万のSNPを正確に推定することができ、極めて低い塩基配列決定カバー率(0.15×塩基配列決定カバー率)のデータセットであっても、この手法が適用できることを明らかにした。また、11,670のHan Chineseのサンプル(1.7×のカバー率)において、参照パネルを要求する別のアプローチと同程度の正確さを達成することができた。このことは我々の方法が、遺伝学的に多様性のある集団に対しても機能しうることを示している。我々の方法は、塩基配列決定で得られた低カバー率の配列から遺伝子型推定までを直接的に進めることを可能にしており、このことは、ゲノムワイド関連解析技術の適用が制限されているヒト以外の生物での障壁を克服するものである。

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