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性格:パーソナリティー特性のゲノムワイド解析から6つのゲノム領域を特定し、精神疾患との相関を明らかにする

Nature Genetics 49, 1 doi: 10.1038/ng.3736

パーソナリティー(性格)は遺伝要因と環境要因の影響を受け、またメンタルヘルスと関連している。しかし、パーソナリティーの基盤となる遺伝要因が具体的に何かなのかはほとんど分かっていない。今回、ゲノムワイド関連解析(N =12万3132–26万0861)のメタ解析を行い、パーソナリティー特性と有意な関連を示す6つの遺伝的座位を同定した。これらのうち5つは、新規座位であった。これらのゲノムワイドに有意な座位のうち、外向性はWSCD2内および PCDH15近傍のバリアントに、神経症傾向は染色体8p23.1上およびL3MBTL2内のバリアントに関連していた。さらに、主成分分析を行い(N = 5422–1万8759)、5つのパーソナリティー特性と6つの精神疾患の基盤となる遺伝的バリエーションに重要な次元を抽出した。第1主成分の遺伝的次元では、パーソナリティー特性と精神疾患とが離れた位置をとっていたが、神経症傾向や経験への開放性は例外で、疾患と同じところに集まっていた。高度な遺伝的相関が認められたのは、外向性と注意欠陥多動性障害(ADHD)の間と、開放性と統合失調症や双極性障害との間であった。第2主成分としての遺伝的次元では、外向性–内向性が近接して並んでおり、また、神経症的傾向が内向的精神病態(例えば、うつ病や不安神経症)とグループを形成していた。

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