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血漿脂質:30万人以上を対象にした血漿脂質についてのエキソーム規模の関連解析

Nature Genetics 49, 12 doi: 10.1038/ng.3977

エキソームを中心にした遺伝子型決定アレイを用いて30万人以上の参加者を対象にバリアントをスクリーニングし、28万人以上の参加者で再現解析を行った。総コレステロール(TC)、高密度リポタンパク質コレステロール(HDL-C)、低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)、トリグリセリド(TG)に有意な関連を示す444の独立したバリアント(250座位)を同定した。2つの座位(JAK2およびA1CF)において、マウスでの実験による解析は、ヒトのデータと一致する脂質変化を示した。(i)βサラセミア形質の保有者はTCが低く、冠動脈疾患(CAD)の罹患率が低かった。(ii)CETP座位を除き、血漿HDL-Cと加齢黄斑変性のリスクとの間に予測可能な関連は見られなかった。(iii)LDL-Cを低下させる機序のうち、一部のみが2型糖尿病(T2D)のリスクを上昇させるようであった。(ⅳ)TGを低下させる対立遺伝子のうち、肝臓でのTGに富むリポタンパク質産生に関係しているもの(TM6SF2およびPNPLA3)は、肝脂質の高値、T2Dリスクの上昇、CADリスクの低下に関連していた。一方、末梢での脂肪分解に関係しているもの(LPLおよびANGPTL4)は、肝脂質には影響せず、T2DおよびCADのリスクを低下させた。

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