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ベーチェット病:免疫関連座位の高密度遺伝子型判定によりベーチェット病の感受性には微生物への暴露に対する宿主応答が関与することが示される
Nature Genetics 49, 3 doi: 10.1038/ng.3786
我々は、Immunochipを用いて遺伝子型判定したトルコ人ベーチェット病症例1,900例と対照1,779例について解析を行った。最も有意な関連が見られたSNPは、HLA-B*51のタグSNPであるrs1050502であった。このトルコ人の発見段階セットでは、直接の遺伝子型判定によりゲノムワイドな有意水準(P < 5 × 10−8)を示すIL1A–IL1B、IRF8、CEBPB–PTPN1の3つの新規リスク座位と、インピュテーションによりADO–EGR2が同定された。イラン人の症例969例および対照826例において遺伝子型判定を行うことで、ADO–EGR2、IRF8、CEBPB–PTPN1の座位の再現性を確認した。日本人の症例608例および対照737例においてインピュテーションを行ったデータから、さらにADO–EGR2およびIRF8で再現性が確認され、また、メタ解析からさらにRIPK2およびLACC1が同定された。IL1A-IL1Bのリードマーカーであるrs4402765の疾患関連対立遺伝子は、IL-1αの低下およびIL-1β産生の増加の両方と関連していた。FUT2の2つの祖先特異的SNPによるABO非分泌型の遺伝子型はベーチェット病と強い関連を示した(P = 5.89 × 10−15)。我々の知見は、クローン病およびハンセン病と共有する疾患感受性遺伝子の数を増加させ、また、ベーチェット病の感受性には粘膜要因および微生物への暴露に対する自然免疫応答が関与することを示している。