Analysis
量的形質:酵母において遺伝子の相互作用を説明することは、個々の量的形質表現型のモデリングを改善する
Nature Genetics 49, 4 doi: 10.1038/ng.3800
モデル生物での実験からは、生物学的に重要な形質の基盤となる遺伝学的相互作用の存在についてさまざまな報告が得られているが、一方で、量的遺伝学の理論からは、集団内のほとんどの遺伝分散は加算的(相加的)であるという予測が得られており、この予測を裏付けるデータも得られている。今回我々は、大きな酵母の異系交配集団内で量的形質の差に寄与する遺伝学的相互作用を考慮したネットワークについて記載した。ネットワーク中の個々の座位により説明される相加分散は、相互作用し合う座位の対立遺伝子頻度に強く依存していた。エピスタシスネットワークで複数座位の遺伝子型クラスについての表現型をモデリングすることは、相互作用を説明することによりしばしば改善される。遺伝学的構造を詳細に分析し、個々の表現型や選択への長期の反応を予測するために、これらの結果から示唆される事柄についても議論する。