神経膠芽腫:サブタイプのゲノムワイド関連解析から、神経膠芽腫と膠芽腫以外の神経膠腫との遺伝性発症リスクの差異が明らかになる
Nature Genetics 49, 5 doi: 10.1038/ng.3823
ゲノムワイド関連解析(GWAS)は神経膠腫の感受性(易罹患性)についての我々の理解を一変させたが、リスク座位を同定するには、個々の関連解析の検出能に限界があった。今回は、既存のGWASと2種類の新たなGWASのデータを合算したメタ解析を行い、総数で症例12,496人、対照18,190人を対象に解析した。その結果、5つの新たな神経膠芽腫(GBM)の座位を見つけた。1p31.3(rs12752552、P=2.04×10−9、オッズ比=1.22)、11q14.1(rs11233250、P=9.95×10−10、OR=1.24)、16p13.3(rs2562152、P=1.93×10−8、OR=1.21)、16q12.1(rs10852606、P=1.29×10−11、OR=1.18)、22q13.1(rs2235573、P=1.76×10−10、OR=1.15)、である。また、GBM以外の神経膠腫の座位については8つ見つけた。1q32.1(rs4252707、P=3.34×10−9、OR=1.19)、1q44(rs12076373、P=2.63×10−10、OR=1.23)、2q33.3(rs7572263、P=2.18×10−10、OR=1.20)、3p14.1(rs11706832、P=7.66×10−9、OR=1.15)、10q24.33(rs11598018、P=3.39×10−8、OR=1.14)、11q21(rs7107785、P=3.87×10−10、OR=1.16)、14q12(rs10131032、P=5.07×10−11、OR=1.33)、16p13.3(rs3751667、P=2.61×10−9、OR=1.18)である。上記のデータはGBMとGBM以外の神経膠腫ではその遺伝的易罹患性に大きな違いがあることを示すものである。これはおそらく、サブタイプによって発症原因が異なることを反映している。