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思春期:ゲノム配列解析によって初潮年齢に関連する数百のバリアントが同定され、思春期の時期ががん発症リスクに関与することが示された

Nature Genetics 49, 6 doi: 10.1038/ng.3841

思春期をいつ迎えるかは、多数の遺伝子が関与する小児期の形質であり、さまざまな成人疾患と疫学的な関連を示す。1000ゲノムプロジェクトに帰属する女性の遺伝子型データ(最大37万人分)を用いて、女性にとって思春期の重要な出来事である初潮年齢に関係するシグナルを同定したところ、389の独立したシグナルが得られた(P < 5 × 10−8)。アイスランド人のデータでは、上記のシグナルが、初潮年齢の集団内分散のおよそ7.4%を説明した。この値は推定遺伝率の約25%に相当する。250の遺伝子がコード領域のバリエーションやそれに伴う発現を介して、初潮年齢の違いに関わっており、こういった遺伝要因が神経組織で著しく増加していることを明らかにした。また、インプリントを受けた遺伝子MKRN3およびDLK1の近傍のまれなバリアントを同定したが、このバリアントは、父親から受け継がれたときに大きな効果を呈する。メンデルランダム化比較解析から、思春期のタイミングが女性の乳がんや子宮内膜がんリスク、あるいは男性の前立腺がんリスクと逆向きの関連を示すこと、そしてこの関連は体格指数(BMI)に依存しないことが示唆された。まとめると、今回得られた知見は、思春期のタイミングの遺伝的制御が複雑であることを示すとともに、がん感受性をもたらす因子であるという考え方を支持するものであった。

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