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心房細動:ありふれたバリアントと希少なバリアントの大規模解析により心房細動の新規12座位が見つかる

Nature Genetics 49, 6 doi: 10.1038/ng.3843

心房細動は全世界で3,300万人以上の患者があり、脳卒中、心不全、さらに死亡に至るリスクを高めている。ヨーロッパおよびアジア系祖先に由来する集団では、これまでに心房細動に関連する14の遺伝的座位が見つかっていた。心房細動の遺伝的基盤をさらに明らかにするため、ありふれた(common)バリアントおよび希少バリアントの両方についての関連研究のメタ解析を、人種を超えて大規模に行った。ゲノムワイド関連解析(GWAS)は、17,931人の心房細動患者と115,142人の対照群を対象とした。エキソームワイドの関連解析(ExWAS)と希少バリアントの関連解析(RVAS)は22,346症例と132,086例の対照群を対象とした。我々はゲノムワイド水準を超える有意差を示す12の新しい遺伝子座を同定した。それらは心臓の電気的および構造的リモデリングに関わる遺伝子であった。今回の結果は、心房細動に関わる遺伝子座同定数をほぼ倍にするもので、心房細動の分子基盤を明らかにして、新薬の発見に向けた新しい分子標的の発見に資する可能性がある。

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