Analysis
自閉症スペクトラム:多遺伝子性伝達不平衡から一般的および希少なバリアントが相加的に作用して自閉症スペクトラムのリスクを生み出すことが確認される
Nature Genetics 49, 7 doi: 10.1038/ng.3863
自閉症スペクトラム(ASD)のリスクは、一般的な多遺伝子性の変化とde novoの変化の両方の影響を受ける。我々は、ASDの多遺伝子性リスクの影響を明らかにする目的で、多遺伝子性リスクが関係するASD症例のサブグループ(強力に作用するde novoバリアントを持つ症例を含む)を突き止めようとした。多遺伝子性伝達不平衡試験(polygenic transmission disequilibrium test:pTDT)と呼ばれる新しい手法とASDの小児を持つ6,454家系のデータを用いて、ASD、統合失調症、学歴に関する多遺伝子性のリスクがASDの小児に過剰に伝達されていることを示す。これらの知見は発端者のIQには依存しなかった。多遺伝子性の変化は、強力に作用する1個のde novoバリアントを持つASD症例のリスクに相加的に関与した。さらに、多遺伝子性リスクの要素は独立しており、それらと表現型との関係はそれぞれ異なっている。これらの結果は、ASDに及ぼす遺伝学的影響が相加的であることを確認するもので、また、これらが少なくとも部分的に異なる病因経路を介してリスクを生み出していると考えられた。