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冠動脈疾患:冠動脈疾患の15の新しいリスク座位から動脈壁に特異的な機構が明らかになる
Nature Genetics 49, 7 doi: 10.1038/ng.3874
冠動脈疾患(CAD)の罹患率と死亡率は、世界的に非常に高い。これまでにCADと関連する 58のゲノム領域が報告されているが、遺伝率の大部分は説明できずにいるので、さらなる感受性座位の同定が待ち望まれている。効率的な発見戦略は、ゲノムワイド関連研究(GWAS)で示唆される有望な関連についての、より大規模な評価を行うことだと考えられる。従って我々は、これまでのGWASの結果から得られた標的遺伝子アレイを用いて56,309人の参加者の遺伝子型決定を行い、これまでに遺伝子型決定を行った194,427人の参加者の結果と合わせて、合計88,192人のCAD症例と162,544人の対照についてメタ解析を行った。15のゲノム領域から新しく25のSNP–CAD関連を同定した(P<5×10−8、固定効果モデルのメタ解析)。これには、細胞接着と白血球遊走とアテローム性動脈硬化(PECAM1、rs1867624)、凝固と炎症〔PROCR、rs867186(p.Ser219Gly)〕、血管平滑筋細胞分化(LMOD1、rs2820315)に関与する遺伝子内あるいはその近傍のSNPが含まれている。これらの領域と細胞種特異的遺伝子発現および血漿タンパク質レベルとの相関から、有望な疾患機構が明らかになった。