Analysis

統合失調症:知的障害のある人とない人における統合失調症の発症リスクに対するレアバリアントの寄与

Nature Genetics 49, 8 doi: 10.1038/ng.3903

統合失調症の症例4,133例および対照9,274例の全エキソーム配列から検出されたコード領域のレアバリアント、症例の親子トリオ1,077組から同定された新生変異、症例6,882例および対照11,255例から検出されたコピー数バリアント、のメタ解析を実施した。3,488の遺伝子には機能喪失バリアントがほとんど存在しないことが分かっているが、統合失調症の患者は、それらの遺伝子に有害なレアバリアントを保有している頻度が有意に高いことが明らかになった。知的障害を併発している統合失調症患者では、そのようなレアバリアントは神経発達障害のリスク遺伝子に集中している。神経発達障害の既知のリスク遺伝子を除外しても、機能喪失バリアントの存在しない遺伝子にレアバリアントを保有している頻度は、依然として有意に高い。この効果は統合失調症と知的障害を併発している患者で特に顕著であるが、知的障害のない統合失調症患者にも認められる。我々の結果は、有害なレアバリアントは知的障害の有無にかかわらず統合失調症の発症リスクに寄与していることを示しており、また、統合失調症とその他の神経発達障害との間には遺伝的リスクの重複があることを支持している。

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