Analysis
ボディマス指数:成人のボディマス指数についての遺伝子型–共変量の相互作用効果と遺伝率
Nature Genetics 49, 8 doi: 10.1038/ng.3912
肥満は世界的に大流行しており、医療・健康に関わる経費の増大や経済的損失を伴う。本論文では、同胞の172,000対と血縁関係のない150,832人においてボディマス指数(BMI)の遺伝率を推定し、一般的なSNP座位での遺伝子型–共変量の相互作用効果の寄与を調べた。遺伝子型–年齢の相互作用〔尤度比検定(LRT)=73.58、自由度(df)=1、P=4.83×10−18〕がBMI変動の8.1%(1.4% s.e.)に寄与した証拠を見いだした。食事や運動を含む、8つの自己申告性の生活様式の要因では、遺伝子型–環境の相互作用は、喫煙行動(LRT=19.70、P=5.03×10−5、LRT=30.80、P=1.42×10−8)についてのみBMI変動の4.0%(0.8% s.e.)に寄与したことが分かった。ベイズ法による関連解析から、BMIは高度の多遺伝子性で、SNP遺伝率の75%が表現型分散の0.01%未満を説明する各座位に起因すると考えられた。我々の知見から、BMIの完全な遺伝学的構造を理解するには、年齢や生活様式に関して、より大規模なサンプルサイズでの解析が必要であることが分かった。