Analysis

疾患分類:遺伝要因ならびに環境要因の共通性に基づくヒトの一般的疾患の分類

Nature Genetics 49, 9 doi: 10.1038/ng.3931

本研究では、米国全人口の3分の1以上に及ぶ人々の保険給付請求データから、12万8989家族(重複のない48万1657人)の部分集団を抽出した。このデータを利用して、(ⅰ)149の疾患について遺伝率ならびに環境要因の寄与率(家族性の環境要因パターン)を推定し、(ⅱ)29の複雑疾患について、疾患と疾患を対にして、遺伝的ならびに環境的な相関を予測した。推定された遺伝率のうち、84疾患については本研究で得られた推定値がはじめての報告と思われる。それ以外のうち大多数(65疾患のうち52疾患)は、これまでに報告されている推定値とほぼ一致していた。相関行列を用いて、環境的ならびに遺伝的な疾患分類の指標とそれぞれの信頼性指標を算出した。予想外の結果の1つとして、一般的には中枢神経系疾患として分類される片頭痛は、遺伝的には過敏性腸症候群に最も類似しており、環境的には膀胱炎および尿道炎に最も類似していることが分かった。これらは全て炎症性疾患である。

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