Technical Report
統計学:形質のばらつきに影響を及ぼす座位の同定とゲノムワイド関連解析における相互作用の検出
Nature Genetics 50, 11 doi: 10.1038/s41588-018-0225-6
形質のばらつきに影響を及ぼす遺伝的バリアントの同定により、多様性を支配している生物学的機構についての知見を得ることができ、潜在的な相互作用を明らかにすることが可能となる。本論文では、そのようなバリアントを同定するための、平均効果および分散効果を同時に検定する2自由度検定法を提案する。本検定法は線形混合モデルに基づいており、我々はそのための効率的なアルゴリズムとソフトウエアを提供する。生物学的な関心を考慮して、我々は「ばらつき効果」(形質が正規分布していない場合の、平均効果のみに起因するのではない分散効果)の検定法を開発した。本手法を英国系祖先を持つ英国バイオバンク集団のサブサンプル(n = 約40万8000)のボディマス指数に適用し、関連座位の検出力が向上することを実証した。ボディマス指数の非正規分布性からは説明できない有意な分散効果を示す新規な関連を同定し、再現解析にて検証を行った。レプチンレベルとボディマス指数のばらつきの間に関連があることを示唆する結果が得られた。