Technical Report

遺伝子調節:クロマチン相互作用の単一対立遺伝子解析から動的な区画化ドメインの調節性ハブが明らかになる

Nature Genetics 50, 12 doi: 10.1038/s41588-018-0253-2

哺乳類遺伝子のプロモーターは、一般的に、多数の遠位エンハンサーの調節を受けており、これらの調節配列は区画化されたクロマチンドメイン内で物理的に相互作用する。そのようなドメインが形成される仕組みや、そのようなドメイン内で調節配列が相互作用する仕組みを単一細胞解析で明らかにすることはまだ成功していない。本論文では、この問題に取り組むために、新しい3C(chromosome conformation capture)法であるTri-C法を開発し、個々の対立遺伝子において同時に起こっているクロマチン相互作用の特徴を明らかにした。Tri-C法による解析から、CTCF境界配列間での単一対立遺伝子相互作用には不均一なパターンがあることが明らかになり、クロマチンドメインが動的な過程から形成されている可能性が示された。これらのドメイン内では、多数のエンハンサーとプロモーターの間で同時に起こる相互作用が関わる特異的な高次構造が観察された。このような調節性ハブを解明することは、多数のシス調節エレメントが共に機能することで遺伝子発現のロバストな調節を確立する仕組みを理解するための構造的基盤となるだろう。

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