Article

変形性関節症:UKバイオバンクのデータを用いたゲノム規模の解析により、変形性関節症の遺伝学的基盤についての知見が得られる

Nature Genetics 50, 4 doi: 10.1038/s41588-018-0079-y

変形性関節症はよく見られる複雑な疾患であり、公衆衛生上の大きな負担となっている。本研究では、UKバイオバンクに蓄積された1650万のバリアントのデータを利用して、変形性関節症に関するゲノムワイド関連解析を実施した。その後の再現解析と、症例3万727人および対照29万7191人を対象としたメタ解析の結果、変形性関節症に関連を有する9つの新規座位が同定された。いずれの座位においても、最も可能性の高い原因バリアントは非コードバリアントであった。3つの座位については、変形性関節症に関わる放射線学的なエンドフェノタイプとの関連が検出され、5つのシグナルでは、変形性関節症患者の変性した関節軟骨において、正常な関節軟骨と比較して差次的発現を示す遺伝子が同定された。変形性関節症とボディマス指数の高値との間の因果関係は確認できたが、トリグリセリドレベルや2型糖尿病の遺伝的素因との間には関連が認められなかった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度