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シングルセル解析:シングルセルRNA塩基配列決定法により、細胞タイプ特異的なシスeQTLと共発現QTLが明らかになる

Nature Genetics 50, 4 doi: 10.1038/s41588-018-0089-9

ゲノムワイド関連研究から、疾患に関連する膨大な量の遺伝的バリアントが明らかになっている。これらのバリアントの大部分の効果量は小さいが、その下流の発現効果、いわゆる発現量的形質座位(eQTL)の効果量は大きいことが多く、また細胞タイプに特異的である。本論文では、偏りのない手法を用いて、これらの細胞タイプ特異的eQTLを明らかにするために、シングルセル(単一細胞)RNA塩基配列決定法を用いて、45人のドナー由来の約2万5000個の末梢血単核細胞の発現プロファイルを作成した。これまでに報告されたシスeQTLが同定されるとともに、新しい細胞タイプ特異的シスeQTLも明らかになった。さらに、個人ごとの共発現ネットワークを作成し、大きく共発現関係を変化させる遺伝的バリアント(「共発現QTL」と名付けた)を突き止めた。従って、シングルセルeQTL解析により調節ネットワークに影響を及ぼす遺伝的バリアントを同定できる。

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