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ワタ:最新のAゲノムに基づく243の2倍体ワタアクセッションのリシーケシングにより、重要な農学形質の遺伝的基礎が明らかになる
Nature Genetics 50, 6 doi: 10.1038/s41588-018-0116-x
現代の栽培化異質4倍体ワタのAサブゲノムは、Gossypium arboreumとGossypium herbaceumの祖先から提供されたものである。今回我々は、異なる技術を組み合わせることにより、G. arboreumのゲノムアセンブリの品質向上を行った。ゲノム多様性マップを作成するため、G. arboreumとG. herbaceumのアクセッション(系統)243種類をリシーケンシングし、これらがGossypium raimondiiから等しく分岐したことを見いだした。別の独立した解析から、中国のG. arboreumが中国南部起源であり、それ以降、長江、黄河地域に進出したことが示唆された。栽培化関連形質を有する大部分のアクセッションは、地理的隔離を経ている。ゲノムワイド関連解析(GWAS)により、G. arboreumの持つ農学的に重要な11の形質との相関を示す98の有意なピークを同定した。GaKASIIIの非同義置換(システインからアルギニンへの置換)は、ワタの種内における脂肪酸組成の実質的な変化(C16:0とC16:1)をもたらしていると考えられる。立ち枯れ病への抵抗性は、GaGSTF9発現の活性化に関連している。我々の研究は、ワタのAゲノムの進化を理解するための主要なステップを示すものである。