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学歴:110万人を対象にした学歴に関するゲノムワイド関連研究による遺伝子の同定とポリジェニック予測
Nature Genetics 50, 8 doi: 10.1038/s41588-018-0147-3
本研究では、約110万人の集団を対象に学歴に関する大規模な遺伝学的関連解析を実施し、ゲノム規模で有意な値を示す、独立した1271のSNPを同定した。総合的な検討により、これらのSNPの効果は環境によって異なることが分かった。これらのSNPは脳の発達過程およびニューロン間情報伝達に関わる遺伝子と関係していた。別に行ったX染色体の解析では、ゲノム規模で有意な、独立した10のSNPが同定され、SNP遺伝率は遺伝子量補償を反映して男女共に約0.3%と推定された。学歴および3つの関連する認知表現型を合わせた解析(複数表現型解析)から得られたポリジェニックスコアにより、学歴の分散の11~13%、認知能力の分散の7~10%が説明された。この予測精度は研究ツールとしてのポリジェニックスコアの有用性を大幅に増大させるものである。