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薬物性肝障害:IRF6近傍のありふれたバリアントは多発性硬化症のIFN-β誘発性肝障害に関連する

Nature Genetics 50, 8 doi: 10.1038/s41588-018-0168-y

多発性硬化症(MS)は中枢神経系の疾患で、インターフェロン-β(IFN-β)などの生物学的製剤を用いた疾患修飾療法により治療する。IFN-βを投与されたMS患者の最大60%は肝臓の生化学検査で異常値を示すようになり、50人に1人は薬物性肝障害となる。他の薬物性肝障害の場合にはゲノムの多様性が関与することが分かっているので、本論文では、2段階のゲノムワイド関連研究を用いて、IFN-β誘発性肝障害のバイオマーカーの特定を目指した。rs2205986バリアントは、これまでにIRF6の発現の差異と関連付けられていたが、この統合2段階解析ではゲノムワイドな有意水準を超える結果を示した(P = 2.3 × 10−8、オッズ比 = 8.3、95%信頼区間 = 3.6~19.2)。電子医療記録を基にIFN-βによる治療を受けたMS患者を特定し、その独立した1コホートを解析したところ、rs2205986は、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(P = 7.6 × 10−5)やアルカリホスファターゼ(P = 4.9 × 10−4)のピークレベルの上昇とも関連することが明らかになった。これらの知見はIFN-β誘発性肝障害の予測に利用できる可能性があり、IFN-βのより安全な使用についての手掛かりになることが示された。

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