調節配列：ヒトゲノムにおけるプロモーターを中心とした長距離クロマチン相互作用の概要

ヒトゲノムの注釈付けにより，多数の推定シス調節配列が見つかっているが，それらが調節する遺伝子については、まだあまり明らかにされていない。我々はこの空白を埋めるために、タンパク質をコードする遺伝子に対して注釈付けされた1万8943か所のプロモーターに着目し，そのプロモーターを中心に置いたクロマチンの長距離相互作用を調べ、そのマップを作製した。このマップは、27種類のヒト細胞や組織を対象にしている。我々はこの情報を用いて、7万329の調節配列候補に対する標的遺伝子を推定し、2117の生理学的形質や疾患と関連し得る2万7325の非コード配列バリアントの調節機能を示すことができた。これらのプロモーターを中心としたインタラクトームマップの総合的解析は、遺伝子調節に関与する広範なエンハンサー様プロモーターや、異なるグループのヒト形質や疾患に共通する分子経路を明らかにすることに役立つだろう。