Analysis

短鎖縦列反復配列:遺伝子発現に及ぼす短鎖縦列反復配列の変動の影響

Nature Genetics 51, 11 doi: 10.1038/s41588-019-0521-9

短鎖縦列反復配列(STR)は、ヒトにおけるさまざまな複合形質に関与している。しかしこれまでのところ、遺伝子発現に及ぼすSTRの影響をゲノムワイドに調べる研究は、関連を検出する能力に限界があり、そこに働く仕組みを推定するための手掛かりを提供するにとどまっている。本論文では、GTEx(Genotype–Tissue Expression Project)の17組織についての全ゲノム塩基配列決定および発現データを利用して、反復配列の数が隣接遺伝子の発現に関連する2万8000以上のSTR(eSTR)を特定したことを報告する。精細マッピングを用いて、各eSTRが原因である確率を定量化し、精細にマッピングされた上位1400のeSTRの特徴を明らかにした。数百のeSTRが、公開されたゲノムワイド関連研究のシグナルと結び付けられること、また、身長、統合失調症、炎症性腸疾患、知能などの複合形質に特定のeSTRが関係することが明らかになった。総合すると我々の結果は、eSTRがヒトのさまざまな表現型に関与するという仮説を裏付け、また、我々のデータは複合形質についての将来の研究のための有用な情報源になると考えられる。

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