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イチゴ:八倍体イチゴの起源と進化
Nature Genetics 51, 3 doi: 10.1038/s41588-019-0356-4
栽培種イチゴは2種の八倍体野生種の交雑によって出現した。その2種はいずれも、4種の二倍体祖先種のゲノムが1つの核に取り込まれることにより、100万年以上前に生じた八倍体種の子孫であった。本論文で我々は、八倍体の栽培種イチゴ(Fragaria × ananassa)の染色体スケールでのほぼ完全なゲノムアセンブリーを報告し、この複雑な異質倍数体の起源と進化の過程を明らかにした。我々は各二倍体祖先種について現存する類縁種を同定し、八倍体イチゴの起源が北米にあることを支持する結果を得た。八倍体イチゴ中の4つのサブゲノムのゲノム動態を調べたところ、ある1つのサブゲノムに他のサブゲノムと比較して有意に多くの遺伝子内容が含まれており、遺伝子発現量も多く、同祖染色体間の交換にも偏りがあることが明らかとなった。経路解析からは、特定のメタボローム特性および病害抵抗性が、主にその優性のサブゲノムに支配されていることが示された。これらの知見および参照ゲノム配列は、今後のイチゴの進化研究のための強力なプラットフォームとなり、また、イチゴの分子育種を可能とするはずである。