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加齢黄斑変性症:網膜のトランスクリプトーム解析およびeQTL解析から加齢黄斑変性症に関連する遺伝子が同定される

Nature Genetics 51, 4 doi: 10.1038/s41588-019-0351-9

ゲノムワイド関連解析(GWAS)から、加齢黄斑変性症(AMD)に関与する34座位の遺伝的バリアントが同定されている。本論文では、病期が異なるAMD症例と対照を合わせた453例について、死後網膜の転写プロファイルを作成して、網膜トランスクリプトームにまとめた。これには、1万3662のタンパク質コード遺伝子と1462の非コード遺伝子に加え、900万以上のありふれたSNPの遺伝子型が含まれている。これらのSNP遺伝子型は、組織ごとの発現量的形質座位(eQTL)解析に用いることができるデータで、GTEx(Genotype-Tissue Expression)や他の大規模なデータセットには含まれていない。cis-eQTL解析から、遺伝的に調節されている1万474遺伝子が同定され、この中には網膜においてのみ検出される4541のeQTLが含まれていた。AMD-GWASとeQTLの統合解析から、すでに報告されている6座位での候補標的遺伝子を確認することができた。トランスクリプトーム規模の関連解析(TWAS)を用いて、ボンフェローニ補正後にさらに3つの遺伝子RLBP1HIC1PARP12を同定した。我々の研究はAMDの遺伝的全体像に関する情報を拡充するものであり、我々が構築したEyeGEx(Eye Genotype Expression)データセットが、眼に関する多因子性形質のGWAS後解釈に有用な情報源であることを実証するものである。

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