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コムギ:デュラムコムギゲノムには過去の栽培化に関する遺伝学的な痕跡と今後の改良目標が明確に示されている

Nature Genetics 51, 5 doi: 10.1038/s41588-019-0381-3

野生種のエンマーコムギの栽培化が現生種であるデュラムコムギの選抜につながり、現在、デュラムコムギは主にパスタ用に栽培されている。我々は、デュラムコムギの栽培品種であるSvevo種について、10.45 Gbのゲノムアセンブリーを報告する。このゲノムアセンブリーにより、ゲノムワイドな遺伝的多様性解析を行うことが可能となり、数千年にわたる経験的選択と品種改良によってゲノムに加えられた変化が明らかとなった。栽培化と品種改良に関連した遺伝的分岐の痕跡を強く示した領域は、多様性が認められないセントロメア周辺の大きな領域を除いて、ゲノム全体に広く分散していた。染色体5B上には金属輸送体をコードする遺伝子(TdHMA3-B1)の座位があるが、機能を失った変異型は穀物中に高度なカドミウムの蓄積を引き起こす。この高カドミウム変異型対立遺伝子は、デュラム種には広く分布しているが、野生エンマーコムギからは検出されず、栽培エンマーコムギから現生のデュラムコムギへと移行するにつれて変異型対立遺伝子頻度が増加した。TdHMA3-B1を迅速にクローニングすることにより、野生種の有益な対立遺伝子を救済することができ、Svevo種のゲノムが小麦の品種改良に実用的に利用できることが示された。

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