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エピジェネティクス:SETD2は母系エピゲノム、ゲノムインプリンティング、および胚発生を調節する

Nature Genetics 51, 5 doi: 10.1038/s41588-019-0398-7

卵母細胞のエピゲノムは、哺乳類の配偶子形成や胚発生において非常に重要な役割を担っている。しかし、それが樹立される仕組みについてはまだ解明されていない。今回我々は、ヒストンのリシン N-メチルトランスフェラーゼSETD2(H3K36me3メチルトランスフェラーゼ)が、マウス卵母細胞エピゲノムの重要な調節因子であることを報告する。Setd2を欠損すると、H3K36me3の欠失、正しいDNAメチロームの樹立の失敗、H3K4me3とH3K27me3のH3K36me3領域への侵入、インプリンティング制御領域においてDNAメチル化に代わって異常なH3K4me3が見られることなど、卵母細胞エピゲノムに大規模な変化が引き起こされる。さらに、母系のSETD2を喪失させると、卵母細胞の成熟異常が引き起こされ、その結果、受精後の1細胞期停止が起こる。この着床前停止は、正常な卵母細胞の細胞質ゾルにより大部分が救済できることから、母系細胞質ゾル内の異常が主な原因だと考えられる。しかし、異常なインプリンティングをはじめとするクロマチン障害は、これらの胚で持続しており、着床後に胚致死を引き起こす。従って、これらのデータは、SETD2が母系エピゲノムの樹立における重要な因子であり、胚発生を制御することを明らかにしている。

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