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ラッカセイ:栽培植物であるラッカセイのゲノムは、マメ類の核型、倍数化、および農作物の栽培化についての理解を深めるための手掛かりとなる

Nature Genetics 51, 5 doi: 10.1038/s41588-019-0402-2

四倍体ラッカセイは油分とタンパク質の含有率が高いため、植物油原料として、また食物として、マメ類の中でも代表的な作物である。本論文で我々は、20本の仮想染色体にまとめられる2.54 Gbの塩基対からなり、8万3709個のタンパク質をコードした仮想遺伝子を有する、ラッカセイの高品質ゲノム配列を報告する。我々は、種子サイズの進化、種子中の油分含有量、病害抵抗性、および共生的窒素固定に関わる機能遺伝子群の特徴付けを行った。栽培ラッカセイのBサブゲノムは、Aサブゲノムより多くの遺伝子を有し、全体的にAサブゲノムより優勢的に発現している。また、Aサブゲノムにおける長鎖末端反復配列の伸長との時間的な関連が見られたことから、Aゲノムの祖先種について問題提起することにもなった。今回の四倍体ゲノムの解析により、栽培ラッカセイArachis hypogaeaについてだけでなく、他のマメ類の染色体の進化についても理解を深めることができた。52アクセッションについて塩基配列再決定を行ったところ、独立した栽培化の過程を経てラッカセイのエコタイプが形成されたことが示唆された。栽培ラッカセイの遺伝的多様性については、42〜47万年前の倍数化という制約があるが、今回明らかとなったゲノム配列は、遺伝子マッピング、および種子サイズや種子色、葉病害抵抗性などの形質をつかさどる遺伝子候補の発見の助けとなり、さらに、機能ゲノミクスの基盤およびラッカセイ品種改良の土台を形成するだろう。

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