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ラッカセイ:部分的異質四倍体であるラッカセイArachis hypogaeaのゲノム配列
Nature Genetics 51, 5 doi: 10.1038/s41588-019-0405-z
他の多くの作物と同様、ラッカセイ(Arachis hypogaea L.)は雑種起源であり、二倍体ゲノムを持つ2種の祖先種から本質的に完全な染色体セットを受け継いだ異質四倍体ゲノムを持つ。本論文で我々は、ラッカセイのゲノム塩基配列を報告し、倍数化した後の可動性遺伝因子の作用、欠失、および同じ祖先に由来する染色体間での遺伝的組換え(同祖組換え;homeologous recombination)によりゲノムが進化したことを示す。染色体末端における同祖組換えのパターンが同様であることから、栽培ラッカセイと、異質四倍体ゲノムを持つが野生種であるA. monticolaの起源が同一である可能性が高いと考えられる。しかし、ゲノム全体を通して多くの領域では同祖組換えは多様性を生み出してきた。我々は、祖先種から新規に作成した合成四倍体を用い、同祖組換えが自発的な花色の変化などの表現型の変化をどのようにしてもたらすことができるかを示す。これらの遺伝的機構によって作り出された多様性により、異質四倍体のA. hypogaeaが、人類に栽培されていた他の二倍体Arachis種よりも好んで栽培されるようになったのではないかと考えられる。