Editorial
ワクチン開発に役立つ病原体ゲノミクス
Nature Genetics 51, 6 doi: 10.1038/s41588-019-0441-8
感染症の分野では、ゲノミクスがワクチン開発を導くための有用なツールとなり得る。不可避ともいえる抗菌薬耐性の広がりを考えると、重篤あるいは致死的な感染症を予防するための戦略として、病原性微生物に対するワクチンは抗菌薬よりも貴重かもしれない。多数の臨床分離株の包括的な解析から得られたゲノム資源は、ワクチン抗原の適切な候補を特定するための基盤となるものだ。今後、さまざまな病原性細菌や病原性ウイルスについて、パンゲノム塩基配列の構築が行われることを期待したい。